「資産3,000万円」と聞くと、もともと収入が高かったり、若いうちからしっかりお金を管理していた人を想像するかもしれません。
でも、私の20代はまったく違いました。
将来のことをほとんど考えず、「今が楽しければいい」と過ごしていた私は、気づけば借金を抱え、貯金もほとんどない状態になっていました。
今振り返ると、もっと早くお金と向き合っていればよかったと思います。
特に強く感じるのが、「お金がないから投資できない」と考えて、何もしないまま時間を過ごしてしまうことのもったいなさです。
投資は、まとまったお金ができてから始めるものだと思っている人もいるでしょう。
でも、20代の私がもし少額からでも投資を始めていたら、その後のお金との向き合い方は違っていたかもしれません。
この記事では、私が20代でどんなお金の使い方をしていたのか、そこからどうやって家計を立て直し、最終的に40代で資産3,000万円まで増やしてきたのかを紹介します。
そして、その経験から私が感じた、若いうちから投資を始めることの意味についてもお話しします。
「今が楽しければいい」の20代。オンラインゲームに夢中だった頃
22歳。新卒で入った会社を、わずか1年で退職しました。
その後、とりあえず「生きていくため」に始めたのが、中華料理店のアルバイトです。
当然、会社員時代ほどの収入はありません。
東京での一人暮らしは思っていた以上に厳しく、足りない生活費を実家からの仕送りに頼る日々が数か月続きました。
「自分は何をやっているんだろう……」
そんなことを考えながら過ごしていた頃、私はあるものに夢中になっていきました。
PS2の『バイオハザード アウトブレイク』です。

初めて体験するオンラインゲームの世界だった。
もともとゲーム好きだった私だが、画面を通して全国の知らない誰かとリアルタイムで協力し、プレイする感覚は、これまで体感したことのない衝撃だった。
「すごい……本当に誰かがそこにいる」
初めて触れる未知の体験に、私は時間を忘れて没頭した。
知らぬ間にゲームへの情熱は高ぶり、気づけば現実の世界よりも、モニター越しのラクーンシティ(ゲームの舞台)にいる時間の方が長くなっていった。
気づけば、私の生活は「アルバイト・散財・ゲーム三昧」の三拍子。
ただただ、惰性で時間を溶かす毎日だった。
しかし、その「惰性」の裏側で、恐ろしい時限爆弾が秒読みを始めていたことに、当時の私は全く気づいていなかった。
郵便ポストの「空白」が招いた、30万円の絶望
私は当時、アパートの3階に住んでいた。
世間知らずだった私は、「郵便物は自分の部屋のドアにあるポストに届くものだ」と本気で思い込んでいた。
部屋のポストは、いつまで経っても空っぽのまま。
「自分には、どこからも連絡なんて来ないんだな」
そんな風に、他人事のようにやり過ごしていたある日、ふと1階にある集合ポストに目をやった。
私の部屋番号が書かれたポストは、封筒やハガキ、チラシがこれでもかと詰め込まれ、無残にパンパンに膨れ上がっていた。
溢れ出した書類をかき分け、震える手で封筒を破る。
「税金滞納通知書」
そこに記されていたのは、到底払えるはずのない「30万円超」という数字だった。
会社員時代、自動的に引かれていた税金。
アルバイトになった瞬間、自分で納めなければならない。
そんな当たり前のことすら、当時の私は知らなかったのだ。
口座残高は、ほぼゼロ。
「これは、本当にマズイ……」
目の前が真っ暗になった。
生活を立て直すため、私は朝9時から17時までの中華料理屋のバイトに加え、夜21時から朝5時までの深夜端末入力という、ダブルワークを始めることを決意した。
こうして私は、働いても働いてもお金が残らない状況に追い込まれていきました。
当時はまだ、「お金を貯めること」や「将来のためにお金を増やすこと」なんて、考える余裕すらありませんでした。
【返済サイボーグの限界】月6万円のゲーム課金と、ベランダで吐いた情けない夜

そして、100万円を超えたリボ払いの残高。
現実はもう、見て見ぬふりができる状態ではありませんでした。
返済のために、私はダブルワークを始めました。
・AM 9:00〜PM 17:00:中華料理屋のアルバイト
鳴り止まないオーダー、充満する油の匂い、手首に響く重い鉄鍋。
常に動き回る、過酷な立ち仕事でした。
・PM 21:00〜AM 5:00:深夜の端末入力バイト
仕事が終わると、今度は静まり返ったオフィスへ。
睡魔と戦いながら、ひたすらコードや数字を入力していました。
帰宅するのは、太陽が昇り始めた早朝。
普通なら、そのまま眠ってしまうところです。
ところが当時の私は、数時間の睡眠を削ってでもPS2の電源を入れていました。
借金を返すために働いているのに、その一方でゲームにお金を使い続けていたのです。

月6万円。
当時の私にとっては決して小さくない金額を、借金をしながらゲームにつぎ込んでいました。
ゲームをしている間だけは、借金のことも、将来の不安も、疲れ切った身体のことも忘れられました。
でも、そんな生活が長く続くはずはありませんでした。
ある日の明け方、突然、激しい胃のけいれんに襲われました。
慌てて上半身をベランダへ乗り出し、胃の中のものをすべて吐き出しました。
バケツに水を入れてベランダを流しながら、
「自分、何やってるんだろうな……」
そう呟いたことを、今でも覚えています。
ところが、もっと情けないのはその後でした。
口をゆすいだ私は、何事もなかったかのように部屋へ戻り、またヘッドセットを装着してモニターの前に座りました。
身体が限界を訴えているのに、それでもゲームをやめられなかったのです。
今振り返れば、若さで無理がきいていたことと、借金という現実から逃げていたことが重なっていたのだと思います。
情けなくて、惨めでした。
でも当時の私は、お金の問題をどう解決すればいいのかも分からず、目の前の現実から逃げることしかできませんでした。
【100万円の契約】魔法の言葉「リボ払い」と、終わらない返済

金銭感覚が麻痺していた私に、さらに追い打ちをかけたのが、「自分への投資」という名の背伸びでした。
「これさえやれば、自分に自信が持てるはずだ」
今の冴えない自分から変わりたい。
そんな気持ちから、私は100万円を超える「美容と身だしなみ」に関する高額な契約を結んでしまいます。
今振り返れば、完全に身の丈に合わない選択でした。
カウンターで迷っていた私に、店員は爽やかな笑顔でこう言いました。
「たけさん、これなら月々一定の金額で、無理なくお支払いできますよ」
その言葉を聞いた私は、どこか安心してしまいました。
「毎月この金額なら払える。これで自分も変われる」
そう考えて、私は契約書にサインしました。
それが、リボ払いによる長い返済の始まりでした。
当時の私は、「毎月の支払額が一定であること」と「借金が少ないこと」を同じように考えていたのです。
給料日に必死で返済しても、明細を見ると元金が思ったほど減っていない。
返済しているはずなのに、なかなか残高が減らない。
その現実に気づいたとき、ようやく自分が大きな間違いをしていたことを実感しました。
そして、苦しかったのは借金だけではありませんでした。
時間も、少しずつ失われていきました。
周囲の友人たちは、仕事やキャリア、家庭など、それぞれの人生を前に進めている。
一方の私は、過去に作った借金を返すために働いていました。
夜勤明けのホームでスーツ姿の同世代とすれ違うたび、
「自分は何をやっているんだろう」
そんな気持ちになることもありました。
私の20代は、資産を作るどころか、過去に作った「負の遺産」を返済するための時間になっていたのです。
資産ゼロどころかマイナス。僕の20代は「過去」を支払うためにあった

世間では「20代で1,000万円貯めました」という話を見かけることがあります。
でも、当時の私は、そんな次元にはいませんでした。
資産形成や貯金について考える余裕もなく、頭の中にあったのは、「どうやって借金を返すか」ということばかり。
毎月必死に働いて稼いだ給料は、返済に消えていきます。
しかも、返済したお金のすべてが元金に充てられるわけではありません。
利息や手数料も発生するため、思うように残高が減っていきませんでした。
今振り返ると、私の20代は、未来のためにお金を積み上げる10年間ではありませんでした。
過去に自分が作った借金を返し、マイナスをゼロに戻すための10年間だったのです。
もっと早くお金について学んでいれば。
少額でも貯金を始めていれば。
そして、借金ではなく将来のためにお金を使っていれば。
今とは違う20代になっていたかもしれません。
では、そんな状態だった私が、借金を返済し、家計を立て直し、最終的に40代で資産3,000万円まで増やすことができたのか。
現在の資産状況や投資先については、こちらの記事で詳しく公開しています。
「若いうちは貯金なんてせず、ガンガン使え」という言葉に騙されないで。

これから社会に出る人や、今20代の人に、私が一つ伝えたいことがあります。
世の中には、
- 「20代のうちは貯金なんてしなくていい」
- 「借金してでも経験に使え」
という考え方があります。
若いうちにしかできない経験にお金を使うこと自体は、決して悪いことではありません。
私も、今振り返れば「もっと経験にお金を使っておけばよかった」と思うことがあります。
ただし、「経験にお金を使うこと」と「借金をしてまで消費すること」は、まったく別の話です。
私自身、20代の頃はこの違いを理解していませんでした。
ゲームや高額な契約など、その場の欲求を満たすためにお金を使い、足りなくなればリボ払いに頼る。
「若いうちは楽しめばいい」という考え方が、いつの間にか「今払えなくても、毎月少しずつ返せばいい」に変わっていました。
でも、その代償は大きなものでした。
借金があると、毎月の収入の一部が過去の支出の返済に消えていきます。
そのお金は、貯金にも投資にも回せません。
さらに、返済を優先する生活になると、転職や引っ越しなど、将来の選択肢にも影響することがあります。
だから私は、若いうちの「自己投資」や「経験」を否定したいわけではありません。
ただ、「若いうちは貯金しなくていい」という言葉を、そのまま信じてほしくはありません。
少額でも貯金をする。
借金をしてまで消費しない。
そして、余裕ができたら将来のためのお金も少しずつ作っていく。
これだけでも、20代のお金との付き合い方は大きく変わります。
「若い時の苦労は買ってでもせよ」と言いますが、
「リボ払いの苦労」だけは、買わないでください。
私自身が20代で経験して、心からそう思っています。
20代の『時間』は、億万長者も喉から手が出るほど欲しい『最強の武器』だ

「お金がないから、投資なんてできない」
「月々数千円を投資したところで、たかが知れている」
そう思っていませんか?
かつての私もそうでした。
「投資は、お金に余裕がある人がするもの」
そう考えていたのです。
でも、今振り返ると、それは大きな勘違いでした。
私たち40代が、どれだけお金を積み立てても取り戻せないものがあります。
それが、「時間」です。
投資では、運用で得た利益をさらに運用に回すことで、時間とともに資産が成長していく「複利」の効果が期待できます。
だからこそ、投資では「いくら投資するか」だけでなく、「何年続けられるか」も重要になります。
例えば、毎月1万円をS&P500や全世界株式などのインデックスファンドに積み立てるとします。
30年間続けた場合、単純に積み立てた元本は、
1万円 × 360か月 = 360万円
です。
では、仮に年5%で運用できたとすると、どうなるでしょうか。
この条件では、30年後の資産は約832万円になります。
(※これはあくまでシミュレーションです。実際の投資では価格が上下するため、年5%の運用が保証されるわけではありません。)
元本360万円との差は、約472万円。

ここで大切なのは、
「銀行から証券口座にお金を移すだけで増える」という話ではない
ということです。
投資商品を購入し、その資産が仮に年5%で成長した場合に、長い時間をかけて運用することで大きな差が生まれるということです。
そして、この「時間」は後から買い戻すことができません。
20代で始めれば30年、40年と運用できる可能性があります。
一方、40代から始めれば、同じ金額を投資しても運用できる期間は短くなります。
だから私は、20代の頃の自分に言いたい。
「1万円でもいいから、もっと早くお金について学んでおけばよかった」
と。
もちろん、投資をする前に生活費を確保し、借金がある場合はその返済を優先することが大切です。
私のように、借金をしてまで投資を始める必要はありません。
まずは家計を整える。
そして、無理のない金額から少しずつ投資を始める。
1,000円でも、3,000円でもいい。
大切なのは、金額の大きさだけではありません。
「お金をただ使うだけ」から、「将来のためにお金にも働いてもらう」という考え方に変えること。
私は20代でそれができませんでした。
だからこそ、これから社会に出る人や、今20代の人には、できるだけ早いうちからお金について考えてほしいと思っています。
【免責事項】
当ブログに掲載している情報は、資産形成に関する情報提供を目的としたものであり、特定の投資を推奨・強制するものではありません。投資には必ずリスクが伴います。最終的な投資判断は、ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。


